こんにちは!!
スタッフ能村です!!
6月9日日曜日は石川県一里野温泉スキー場にて二回目となる大型の自転車試乗会イベントが開催されていました。
当然ロードバイクが大好きなスタッフ能村。ガッツリ最新バイクを乗り倒して来ました!!
今回はその最新バイクをインプレッションし、BEST OF BUYCYCLEを決めたいと思います。
E-BIKEのインプレッションはスタッフ腰の記事をご覧ください!
TREK MADONE SLR DISC
TREKの主力エアロバイクMADONEです。元々はオールラウンドの細身のバイクでしたが2016年からはガチガチのエアロバイクとしてフルモデルチェンジし、現在もプロチームでは主力バイクとして使用されている実績のあるバイクです。
今回試乗させて頂いたMADONEは、現在展開されているグレードの最上級モデル『SLR』です。
このグレードには最新の路面振動を吸収するトップチューブの調整式『IsoSpeed』が採用されており、今までは調整自体することが出来ませんでしたが、こちらは走る路面や状況に応じて好みの硬さに調整することが出来ます。この機能が付いているMADONEは、この『SLR』グレードのみです。
ダイレクトに加速に繋ぐ高剛性なエアロバイク
乗り出しの感想は「割と硬いフレームだな」という感じでした。踏みこんだ反応も良く、ダイレクトに反応しロスなく加速につながる感じです。
また、IsoSpeedのおかげか、サドルに来る振動もおだやかで長時間乗車による痛みもかなり緩和されるのではないかと感じました。坐骨幅にあったサドルを選ぶことでさらに快適になりそうです。
加えてエアロフレームがかなりのメリットになりそうです。試乗コースでは高速巡航ができる区間は無かったものの下りではかなりの恩恵を感じることが出来ました。非エアロバイクに比べてかなり伸びが感じられたので、平地での高速巡航でも確実に走りの質を高めてくれます。
下りがあるということは当然登りもあります。ここで「硬い」理由がわかりました。エアロフレームは面積が大きくなる分、通常のフレームに比べ車重が増えてしまいます。登りでの重量増はかなりの痛手。しかし高い剛性感が登りでの加速の鈍さを助けてくれている印象を感じました。ただ、剛性が高い分、疲れやすい車体であるように思います。ロングライドでは要注意ですね。
PINALLERO PRINCE FX
PINARELLOのミドルグレードモデルです。上にはDOGMA下にはノーマルプリンスが存在します。皆さんが疑問に感じるDOGMA F8と同じ型を使っているんでは?という声に関してメーカーは完全新型と言っていました。
エアロを追求した形と言うより、オールラウンドを目指したこのモデルはDOGMAシリーズからテクノロジーを受け継いでる部分も多く存在します。第三世代ONDAフォークはまさにその象徴と言える部分で安定したコーナリングや高い振動吸収性を誇る部分です。
ホイールで性格が変わる不思議なバイク
今回乗ってみて最初に感じたのは「ホイールの性格が強調されている」という印象。試乗車についていたのは高剛性で名高いフルクラムレーシングゼロ。キビキビ走る感覚や加速のダイレクト感、高い登坂性能のすべてがホイールによるものだと感じられるほど、フレームの特徴が感じられませんでした…。
しかし、この「特徴無き特徴」は見方によってはプラスになります!ふつうパーツのみでフレームの性格を大きく変えることは難しいです。ですのでフレームを選ぶ際は慎重になり、用途や使用場面に適したものを選ぶわけです。しかし、ホイールによって走りが大きく変わるのであれば、ホイールを複数所持することで使用シーンに合わせて大きく乗り味を変えられるホイールを変えてみるという事ができます。いろいろな乗り味に七変化する他にはない不思議な体験が出来そうです。
SPECIALIZED ALL NEW ROUBAIX
SPECIALIZEDが新たに登場させた完全新型のROUBAIX。Smooth is Faster(スムーズさ=速さ)を証明したROUBAIXの次なる形は、さらなるエアロダイナミクスの向上と快適性の向上、そして最大の特徴であるFUTURESHOCK(独自のフロントサスペンション機能)のアップデート。まさに最高のスムーズさを体現したバイクと言えます。エアロ性能は初代VENGE同等と言われるTARMAC SL6を凌駕する性能で、さらに高い快適性を実現するために全く新しいPaveシートポストを開発しました。Paveは空力に優れたD型シートポストで、上部がしなる設計なのでライダーに不快な振動を与えないようにしています。
ロードバイクの完成形!?
快適性を追求したバイクは剛性が低く、レースなどの速く走ることには特化していない印象を持っていました。しかし、意外にもROUBAIXは剛性が高く、キビキビした走り!加速に対しても敏感で踏み込みに対してロスなく加速に繋げてくれます。
登りでもその性能は高く、同社の軽量オールラウンドモデル『Tarmac』並みの登坂性能を感じることができました。また、空力を追求したフレームだけあって他のエンデュランスバイクと比較してもペダルを回さず下った速度は圧倒的に速かったです。
ロングもこなし、登坂もパワフル、巡行も楽で、レースもいける。まさに、なんでもできる完成されたバイクだと思います。
SPECIALIZED ALL NEW VENGE
日本バイシクル・オブ・ザ・イヤー2019を受賞した最速のエアロバイクと言っても過言ではないのが、このALL NEW VENGEです!
NEW VENGEは前作ViASより460gも軽いバイクとなりました。加えてハンドルやステム・シートポストなどは新型に合わせて専用品を新たに開発し、その本気度が伺えます。またDISCフレーム・Di2・E-tap専用設計という点にも注目です。極限まで空気抵抗を減らすために全てを内装化。スーパーコンピューターを用いて導き出し、『WinTunnel』(自転車専用の風洞実験施設)で多くのテストを経て完成された新型VENGEはまさに技術の結晶です。
自転車界のF1マシン!
第一印象は「なんか変なフレームだな」と思いました。柔らかいのに硬い。ゼロからの加速は鈍いし、なんか微妙だなと感じたのが正直な感想です。しかし、現在はBORAカラーのVENGEを愛車として乗っています。
それはなぜか?簡単です。このバイクが良すぎるからです。
前述した柔らかさは絶妙な剛性感を生み出し、自分の持っている力をあますところなく引き出してくれます。一つ例をあげると「何回でもアタックできてしまう」という感じ。本来であればアタックは足にかなりの疲労を溜めてしまうため連続で仕掛けることが難しかったり、長く続かないことも多々あります。しかし、新型VENGEでは踏み抜ける時間が圧倒的に長く、短いアタックであれば何回でもできるのではないかと思ってしまいます。これは柔らかいフレームという点が大きく影響していると感じます。柔らかいフレームはレースや速く走る場面には不向きなのではないかと思っていしましたが、適度な柔らかさが速さを引き上げてくれると教えてくれました。
FOCUS IZALCO MAX DISC
FOCUSがリリースするフラッグシップロードバイクです。FOCUSのこだわりが詰まったこのバイクは膨大な制作期間を要したと言われています。IZALCOの個性である細身のチュービングを残し、前作より重量は増しているものの、エアロ性能の劇的に向上させています。その結果前作IZALCO MAXと比較し200Wで50kmを走行すると1分30秒ものタイムを短縮できるようになりました。またケーブルなどが完全内装化され、それに伴い専用のステムも開発されています。
IZALCO MAXらしさが出ているピュアレーシングマシン
なんだこの鉄板みたいなフレームは⁉ 今までに10台乗り継いできたスタッフ能村ですが過去最高の硬さです。正直、乗り心地としては疑問が残る部分がありますが、硬いバイクが好きな方にはオススメです!
空力面では、完全なエアロバイクではないためVENGEやMadoneなどと比べると劣る部分はあります。しかし、TarmacやPRINCEなどと比較すると負けてないのではないでしょうか。エンデューロやロングライドには不向きかと思いますが、クリテリウムや距離の短いレースなどでの短期フルパワー型レースでは大いに活躍してくれそうです!
最新マシンまとめ
各社気合の入ったマシンを持ってきていたため、非常に楽しい試乗会となりました。僕が乗ったバイクはどれもメーカーの最新技術が使われており、中には膨大な時間をかけて開発されたバイクもありました。
どれも価値あるバイクでしたが、その中でも光っていたのはSPECIALIZED ROUBAIXだと感じました。圧倒的な快適性。それなのに、キビキビ走るレーシング感。空力性能にも脱帽しました。
まさにBEST BUYなバイクだと思います。何を買おうか迷っている方がこの記事を読んで、「乗ってみたい!参考になった!」と言っていただければ嬉しいです。